デュフィは画家人生を通じて喜びを表現してきた。喜びは色で満たされている。
デュフィは言った。
「私の眼は醜いものを消し去るようにできている」
「悲しみや苦しみは描きません。その色彩で歓喜を歌う。」と
これこそ、デュフィの人生哲学であり、生きざまだ。
1937年のパリ万博の電気館を飾るため、デュフィは「電気の精」を色彩豊かに描いた。
一方、同じパリ万博のスペイン館には、ナチスの無差別空爆を告発したピカソの大作「ゲルニカ」が飾られた。この大作をピカソは無彩色で描き、以降、鮮やかな色彩に戻ることはなかった。
色彩は人生の彩りでもあることを忘れてはなるまい。
(以下、番組字幕からパリ万博の両者に係る部分を抜粋して掲載する。)
025:49 ここにデュフィの集大成と言える作品があります。
025:58 縦10m横60mの巨大な壁画。
026:09 デュフィ60歳。
026:11 それは人間と科学の叙事詩。
026:20 古代ギリシャの数学者アルキメデスや→
026:26 発明王エジソンなど→
026:29 110人もの科学者が登場。
026:41 彼らによって成し遂げられた科学技術の発展が→
026:45 鮮やかな色彩と共に描かれています。
026:57 最後の場面は人類の英知をたたえるオーケストラの演奏。
027:04 それに乗せて電気の精が舞う…。
027:15 この壁画は1937年→
027:20 パリ万博の電気館を飾るために描かれました。
027:27 そして同じ万博のスペイン館にはあのピカソの大作が…。
027:38 この年に起きたナチスの無差別空爆を告発した「ゲルニカ」です。
027:49 万博を訪れた建築家ル・コルビュジエはこう言っています。
028:20 世界が戦争へと突き進む中→
028:24 ピカソはこの絵を描く事で警鐘を鳴らします。
028:34 一方デュフィは暗雲立ちこめる時代に→
028:39 人々の心を明るく照らそうとしたのです。
028:48 デュフィは画家人生を通じて喜びを表現してきました。
028:54 その喜びは色で表されているのです。