このドラマは今クールの中で、いわゆるドラマの質という点では最高だった思う。よくあると言えば、よくある難病ドラマなんだけど、なによりもまず三浦春馬の演技が良かった。全編通して良かったけど、最終回でも秀逸だったのは、人工呼吸器をつけて目の動きでPCを操って言葉を発するところの演技など相当しっかり作り込んでいたはず。
それに応える演出も良かった。たとえば最終回、彼が自分の病気のことをたくさんの人の前で語るシーンでは、これまでのストーリーを彼の講演でまさに視聴者とともに振り返っているんだけど、その演出もほとんどが彼の語りと周りの人の表情のみでつなぎ、過去のシーンの再生はきわめて限られていて、その抑制された演出が冴えていた。そして2人のボトルメッセージで起承転結を締めくくるあたりも完成度が高かったと思う。