法隆寺とは異なり作り変えることによって常に新しい国家の象徴とされた。伊勢神宮の式年遷宮は飛鳥時代の持統天皇に始まる。
持統天皇は大化改新を進めた天智天皇の娘で、壬申の乱に勝利した天武天皇の妻である。
夫亡き後、息子を天皇にしようとしたが若くして亡くなったため自らが即位して、藤原京を作った。この頃から大王は天皇に、倭国は日本となった。
伊勢神宮は天照大神を祀っている。持統天皇と天照大神には共通点がある。どちらにも孫に政権を譲ったのだ。
式年遷宮は天孫降臨神話(天照大神が孫の瓊瓊杵命を送った)を表している。
式年遷宮では、神殿を更新するのみでなく、神様の身の回りの物も更新する。
日本人が元々神として崇めていたのは山々や大地や樹木や川。神々が人間の形を得たのは持統天皇の時代。
天孫降臨が記載された日本書紀は持統天皇の時に編纂された。
言語学研究によると日本書紀は3つに分けられる。中国人が書いたものと、日本人が加えたものがあり、様々な神話や天照大神と天孫降臨を語る前半は後から書かれたものとわかってきた。