自閉症者は情報の伝達がうまくできないことで、外の世界の住人とうまくコミュニケーションができない。
それをみた外の世界の住人は彼らの精神が破綻していると思いがちだ。(言葉はキツイが番組内でも使われている表現です)
しかし、自閉症者の精神は破綻とは真逆で、健常者よりも感受性豊かで、うまくコミュニケーションが取れない自分に苛立ち、そんな自分に憐れみや蔑みの眼を容赦無くぶつける健常者に怯えている。
思考と表現の同期が取れず空回りする。思いは整理して伝える前に元の思考はどこかへ飛躍してしまう。言葉にできず、身体は自分の精神では制御不能で飛び跳ねだす。頭では分かっていても、言葉も脳も身体もコントロールできない。
番組は、言語コミュニケーションが不可能なほど重度の自閉症であるにも拘らずキーボードを通せば自身の内面を表現可能な稀有の作家東田直樹さんのドキュメンタリーだ。東田さんを中心に、家族、翻訳者親子、東田さんの著書を読んだ自閉症の子を持つ親達が紹介された。
特に自閉症児の親たちが子への接し方に困惑していたところに東田さんの著書で対話の道が開けた点に大変感動した。
東田直樹
http://naoki-higashida.jp/